
中東ヨルダンの首都アンマン。
初めての中東出張はここから始まった。周りに見える看板の類いは
アラビア語で当然ながら書かれ、人々が喋る会話も当たり前ながら
アラビア語。そうなるとまったくもって理解出来ない...。


街の様子を撮影する為に路地を抜け中心部の賑わう地区にやってきた。
実はこれが出張の楽しみでもあるのだが、知らない土地を自分の五感で
感じながら歩く事ほど楽しい事はない。少しおっかなびっくりではある
のだが、好奇心には勝てないらしく奥へ奥へと入って行ってしまう。


この国はもちろんイスラムの国、なので街の至る所に三日月のマークを
先端に付けた塔やコーランの調べが聞こえるモスクが点在している。
決められた時間になるとこの「コーラン」が聞こえてくるのだが、これは
様々な韻を踏み、一定の独特なリズムを作り出している。そもそも声に出して
読むというのが正しい読み方なので、辺りにはまるで音楽を奏でているような
そんな美しい調べになるわけだ。 日本人というよりアジア系の顔を見る事は
ほとんど無いので露天のお兄ちゃんも素知らぬ振りをしつつも興味を持っている
事が察せられる。この国には秘密警察がいるらしくインタビューをしようものなら
直ぐにすっ飛んでくるらしい。仮に答えたとしても模範解答の範囲を出る事は
無いという。ある種の抑圧があるようだ。しかしながら気さくで無邪気に笑い掛けて
くれる人達を見ると一変に安心してしまった。


ヨルダンには周囲のイスラムの国に共通する料理がいくつもある、
これは羊の肉に小麦を挽いたものやスパイスを混ぜ合わせて叩いたもので
「クッベナイエ」というのだが、これがホントに旨い!このペーストに
ミントの葉やニンニク、ネギや生タマネギなどの薬味と混ぜてパンと
一緒に頂く。羊の肉は新鮮なものしか生で食べさせる事は出来ないので
この料理が出せるという事はそれなりのステータスになるという。


続いてこちらは「シュワルマ」と呼ばれる代表的な庶民料理。
NYでも中東系の屋台で食べられるのだが、串に刺した牛肉や羊肉を
じっくりとローストしていい感じに焦げたところで、周りをナイフで
削ぎ落す。それをホブスという中東のパンに詰めてトマトやタマネギと
一緒に頂くというもの。このシュワルマは店によって味付けは千差万別。
肉と肉の間に脂身を詰めたり、秘伝のスパイスを使ったりと店によって
個性がある。とても美味しい中東のファーストフードといったところだ。

今回はここヨルダンから陸路でイスラエルに渡る。UNSGの同行という事で
車列を組んで一路国境を目指した。


ヨルダン渓谷を谷間に向けて下りて行くと遥か遠くに広大な湖が見える
Dead See.死海だ。その北側の渓谷の真ん中にヨルダンとイスラエルの
国境が存在する。厳ついヨルダン側の国境警備のエスコートで対岸に向かう
その先はヨルダン川西岸地区と呼ばれる地域で本来ならばパレスチナの土地
なのだが現在はイスラエルが実行支配をしている。中東を語る上で必ず話題に
登るイスラエルとパレスチナ。その内情を自分の目で確かめるべく向かう。
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