
薄っすらと夜明けが近づいている早朝。もぞもぞと起きだしていざ外へ、
恒例の朝散歩ジョグの始まりだ。今回は坂の街サンフランシスコを散歩
する。まずは急な坂を登り降りしながらハイドStを海岸沿いへ向かう。



このハイドStはサンフランシスコ名物のケーブルカーが走るルート。
いつもはこのケーブルカーに乗って観光するんだが、今回は自分の
足で軽くジョギングしながら移動して行く。ロシアンヒルの辺りに
ある小粋なビストロを眺めつつ高級住宅街を抜けていくと見晴らしの
良い高台に辿り着く。ここから海側に急な坂を見下ろすと、遠くに
アルカトラス島が見える。

右手のくねくねした急勾配を降りて行き、振り返るとそこには
これまたサンフランシスコ名物であるロンバートストリートの
つづら折りの坂道を見る事ができる。綺麗に整備された道と周り
を囲む高級住宅。サンフランシスコらしさを味わえる風景だ。



再び坂の上に戻り海岸沿いを見下ろすと辺りも徐々に明るくなってきた。
坂道をゆっくりと下って行くと朝一番のケーブルカーが坂を登って行く
ところだった。海岸線に出て港の灯台までぐるりと廻ると、ようやく
朝日が顔を出し一気に眠りから覚めたような気にさせてくれた。


海岸からは淡い紫色に包まれたアルカトラス島とゴールデンゲートブリッジが
薄っすらと見える。海風の少し塩っぱい匂いを胸いっぱいに吸い込み再び走り
始めた。


BAYエリアにはさすがにまだ観光客の姿は見えない。普段は人々で
ごった返す道を悠々と北上しながら辺りを見渡すと漁を終えた船が
港に続々と戻ってきていた。



フィッシャーマンズワーフまで来ると、既に今日の仕込みが始まっていて
西海岸名物のダンジネスクラブを豪快に塩茹して店頭に並べていた。


左手に海岸を見ながら走っているとアシカなのかセイウチなのか海獣の
鳴き声がそこかしこから聞こえてくる。辺りは完全に明るくなり、出勤する
ビジネスマンの姿がちらほら見え始めてきた。もう少し北上すると、
今年のワールドシリーズでチャンピオンになったSFジャイアンツの球場が
あるのだが、マーケットStを右折して最後の登りに掛かる。



チャイナタウンの中を抜けて心臓破りの坂をヒーヒー言いながら登ると
グレース大聖堂が現れる。ここまでくれば後は軽く坂を下ればホテルだ。

坂の多いこの街をあえてジョギングしながら回るのも、なかなか楽しい
散歩になった。なんだか自分がそこに住んでいるような雰囲気を味わえ
それ以上にその街を直接身近に感じる事ができる。
次はどの街で散歩するのか、出張中の密かな楽しみになりそうだ。
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